乳房の疾患とその重要性

乳房の疾患イメージ

乳房の疾患は、良性のしこりから悪性腫瘍まで幅広く存在します。特に乳がんは、近年、罹患率と死亡率の両方が増加傾向にあります。その予後(疾患の治療経過)は、早期に発見できた場合には比較的良好であり、早期受診と早期発見、そして早期治療が必要です。
乳房は女性の体の中でも非常にデリケートな部位であるため、「恥ずかしい」と感じる方や「痛いことをされるのではないか」と懸念する方が多くいらっしゃいます。しかし、早期に発見することで治療方法や予後は大幅に改善します。上記の症状に心当たりがある方、健康診断などで異常値を指摘された方は、ぜひ当クリニックをご受診ください。

乳房の異常に気づいたら早めにご相談を

近年では、乳房を温存する手術方法や、摘出した場合の再建方法が大きく進歩しています。乳房にしこりやひきつれなどの違和感を感じた場合は、ためらわず早めにご相談ください。
当クリニックは、患者様のプライバシーと感情に配慮し、医師からスタッフまで全員を女性で構成しています。全ての診察はプライバシーに配慮した空間で行われますので、乳房の診察に抵抗がある方も、安心してご相談いただけます。

検査方法

当クリニックでは、触診、超音波検査、そしてマンモグラフィ検査(注:病状などにより検査内容は変わる場合があります)を行います。さらなる精密検査(細胞診、針生検、マンモトーム生検などの病理検査)が必要と判断された場合、その後それらを行います。精密検査の結果、手術などの治療が必要となった場合は、ご相談の上で、兵庫医科大学病院への紹介も行います。

乳腺外科でよくみられる症状(例)

  • 乳房にしこりがある
  • 乳房が赤く腫れている、痛む
  • 乳房の一部がへこんでいる、ひきつれている
  • 乳頭から分泌物が出ている、乳頭から出血している
  • など

こんな症状があれば早めにご受診ください。

乳房に感じるしこりの特性

乳房に感じられるしこりは、良性の乳腺症から悪性の腫瘍まで様々な可能性を秘めています。乳腺症という良性の疾患が主ですが、稀にその中に悪性腫瘍が隠れていることもあります。それゆえ、触診だけでなく、画像診断や病理検査を含む包括的な評価が重要となります。マンモグラフィと超音波検査を用いれば、腫瘍の大まかな特性を詳細に把握することが可能です。当クリニックでは、初期の問診や触診から総合的な病理検査まで、早期に精確な診断を行います。

乳房が赤く腫れて痛む

乳房が赤く腫れ、それに痛みが伴う場合、可能性として乳腺炎が考えられます。乳腺炎は細菌感染などにより乳腺に炎症が発生し、特に授乳期の女性に多く見られる症状です。症状が進行すると、乳腺内に膿が溜まり膿瘍を形成することもあります。同様の症状を示す中には、炎症性乳がんという悪性の疾患も存在し、慎重な対応が求められます。早期治療が重要なので、このような症状を発見した際には早めに受診することをおすすめします。

乳房のへこみやひきつれ

乳房の一部にへこみやひきつれがある場合、これは皮膚下や乳腺内に腫瘍が存在する可能性を示すかもしれません。迅速な診断と対応が必要となる場合がありますので、このような症状を発見した際には、できるだけ早めに受診してください。

乳頭からの分泌物や出血の問題

乳頭から分泌物が出ている場合、特に授乳期間ではない場合、大抵のケースは無色から黄白色の分泌物が出ており、これは一時的なホルモンバランスの変動が原因となる生理的な現象が多いです。しかし、これが内分泌疾患の兆候である可能性もあります。また、分泌物が血液色をしている場合は、乳がんの可能性が考えられるため、特に注意が必要です。いずれの症状にも該当する場合でも、すぐに検査して原因を突き止めることが重要です。

その他

乳房にできものができている、ただれている、腋の下にしこりがある、乳房の左右サイズが違うなど、気になる症状がありましたら、何でもご相談ください。

良性腫瘍の経過観察にも対応

良性腫瘍の可能性が高い場合でも、まれに悪性に移行したり、あとから悪性腫瘍が見つかったりすることもあります。そのため、定期的な経過観察はとても重要です。当クリニックでは、良性腫瘍の経過観察や、手術後の経過観察も行っております。他院での手術後など、当クリニックの受診歴がない方でも、どうぞお気軽にご相談ください。