下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)とは

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)イメージ

大腸カメラは、大腸専用のカメラを肛門から挿入し、小腸の出口から全大腸、肛門まで直接観察することができる検査です。

大腸粘膜の状態を直接観察して病変の有無を調べます。拡大観察機能や特殊光観察を駆使することで微細な変化も観察できるため、早期がんの発見も可能です。観察の際に疑わしい部分があれば、その場で組織を採取することもできます。
また、検査中に前がん病変に相当する大腸ポリープが見つかった場合には、その場で切除して治療まで行うことができます。

内視鏡検査と聞くと「辛い・苦しい・痛い」といったイメージが強く、検査を受けることに抵抗がある方もおられますが、病気の早期発見・早期治療のためには非常に重要な検査です。
大腸カメラで得られた情報をもとに適切な診断を行い、治療を考えることができます。

人間ドックにおける大腸カメラ(大腸内視鏡)検査では、ポリープ切除等の治療は実施しておりません。

腸管洗浄液「モビプレップ®」について

大腸カメラ検査を行う前に、まず腸管内の便をきれいに洗い流しておくことが必要があります。検査前に事前に飲んでいただくのが腸管洗浄液で「モビプレップ」はその一つです。

モビプレップ®の準備(溶かし方について)

モビプレップ®はそのまま水に溶かせるようにプラスチックバッグに入っており、水を入れてから手で袋を圧迫すると仕切りが開いて混合されるようになっています。

モビプレップ®の服用方法

2杯1杯法では、モビプレップ®を2杯服用するたびに、水またはお茶を1杯飲み、便が透明になるまで服用を続けていただきます。服用に当たっては「服用の注意」を必ずご確認ください。

服用時の注意

  1. ①服用のしかたは、必ず医師・看護師・薬剤師等の指示に従ってください。
  2. ②一人では服用しないでください。
  3. ③服用前に便秘症状(前回の排便日が2日以上前)または下痢症状が続いている方は、事前に医師・看護師・薬剤師等に連絡してください。

次の症状があらわれた場合には、がまんせずに直ちに服用を中止し、医師・看護師・薬剤師等に連絡してください。服用後に同様の症状があらわれた場合にも、同様にご連絡ください。

  • 気分がわるい
  • 吐き気がする
  • 吐いた
  • お腹が痛い
  • 顔が青ざめる
  • めまいがする
  • 寒気がする
  • 顔がむくむ
  • 息苦しい
  • じんましんがでる
  • など

このような方は大腸カメラを受けることをお勧めします

  • 便潜血検査が陽性だった
  • 便の色が赤っぽい
  • 排便時に出血があった、便やペーパーに血が付いていた
  • 便が細くなった
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 下痢や軟便が続く
  • おなかが張った感じがある、残便感がある
  • 貧血がある
  • 家族に大腸癌の方がいる
  • 一度も大腸カメラを受けたことがない

便秘や下痢は健康な方でも時に起こる症状ですし、血便は痔が原因ということがよくあります。ただし、これらのよくある症状が、大腸がんや大腸ポリープ、難病である潰瘍性大腸炎やクローン病などの疾患によって起こっていることもあります。

近年、がんによる死亡原因として男女とも上位を占めている大腸がんは、早期発見・早期治療が重要です。大腸がんは早期発見できれば内視鏡による治療で完治が望めますし、前がん病変の大腸ポリープを切除することは将来の大腸がん予防にもつながります。しかしながら、大腸がんや大腸ポリープは早期には自覚症状がほとんどないため、症状がなくても定期的に大腸カメラを受けることが非常に重要です。大腸がんの発症リスクは40歳を超えた頃から上昇しはじめますので、その年代になったら一度大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。

当クリニックの大腸カメラの特徴

苦痛を減らす、さまざまな工夫しています

大腸カメラ検査のイメージ

大腸カメラの検査が苦しいと感じる理由はさまざまですが、腸が引き伸ばされたり、空気で張ったりするために痛みを感じることが大きな原因となります。
当クリニックでは、適度な鎮静剤・鎮痛剤の使用、吸収されやすくおなかの張りが残りにくい二酸化炭素送気による観察、丁寧な内視鏡操作などさまざまな工夫を行い、苦痛のない検査を心がけています。
また、内視鏡室の照明はリラックス効果の得られるブルーライトを採用しています。

女性の内視鏡専門医が勤務しています

大腸カメラは肛門からカメラを入れていく検査のため、女性では男性医師による検査に抵抗を感じる方も多いかと思います。当クリニックでは女性医師による検査も行っております(曜日によって異なります)ので、予約時にお気軽にご相談ください。

AI(人工知能)を備えた最新鋭の内視鏡システムを導入しています

当クリニックでは富士フイルムのLED搭載次世代内視鏡システムと4K対応大型モニター、小規模のクリニックでは導入例の少ない、AIによる内視鏡診断支援機能を導入しています。明るく鮮明で、多彩な観察モードを備えた内視鏡システムとAIによるサポートにより、微細な病変も見逃さない、精度の高い検査を提供します。

最新鋭の内視鏡システムイメージ

高度な専門性をもった医師による検査を実施します(学会専門医・指導医が担当します)

当クリニックの内視鏡検査は大学病院での研鑽を積んだ経験豊富な医師が担当します。

日帰りポリープ切除術を実施しています

日帰りポリープ切除術イメージ

当クリニックでは検査中に前がん状態に相当する大腸ポリープが見つかった場合には、その場で切除して治療まで行うことができます。別の日に切除のためのスケジュールを作る必要がなく、事前の食事制限や下剤内服も一度で済むため、負担が大幅に軽減されます。ただし、見つかったポリープの数や大きさによっては全てを切除するのが困難な場合があり、その際には大学病院本院などの連携施設で適切に治療を受けていただけるよう、ご紹介させていただきます。

人間ドックにおける大腸カメラ(大腸内視鏡)検査では、ポリープ切除等の治療は実施しておりません。

徹底した衛生管理で内視鏡検査を行っています

内視鏡検査に用いる物品は清潔なディスポーザブルを基本とし、それができないスコープや処置具等は日本消化器内視鏡学会によるガイドラインを遵守し徹底した洗浄、滅菌を行っております。

兵庫医科大学病院と密に連携しています

当クリニックの最大の強みは兵庫医科大学が運営するクリニックであるということです。クリニックでは治療困難な疾患が見つかった場合でも、シームレスに専門性と技能を有する大学病院へご紹介させていただくことが可能です。

大腸カメラで分かる病気

  • 大腸ポリープ
  • 大腸がん
  • 大腸憩室
  • 虚血性腸炎
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 感染性腸炎
  • 直腸カルチノイド
  • 痔核
  • など

大腸カメラの検査費用(保険診療)

診察料・血液検査・使用薬剤料他 約2,000円
~3,500円
大腸内視鏡検査(大腸カメラ) 約5,000円
病理組織検査 約3,500円
~7,000円
大腸ポリープ切除術 約17,000円
合計 約8,000円
~30,000円