上部内視鏡(胃カメラ)

【食道】(アイウ順)
異所性胃粘膜
(いしょせいいねんまく) 
食道粘膜の一部に胃粘膜がみられることがあります。多くは先天的なもので、数%の人に認められ、頸部食道(食道入口すぐのところ)にみられることがほとんどです。内視鏡では正常食道粘膜が類円形に剥がれたように⾒えます。多くの場合、胃粘膜の働きはしていませんので、治療や経過観察は不要と考えられています。
カンジダ性食道炎
(かんじだせいしょくどうえん)
食道感染症の中で最も多いもので、真菌(カビ)の一種であるカンジダが食道粘膜に侵入した状態です。免疫⼒低下、過剰な糖摂取などが原因となります。気管⽀喘息治療で吸入薬を使用している場合に認められることがあります。経過観察が必要です。
逆流性食道炎
(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)
胃内容物(多くは胃酸)の逆流により、食道胃接合部や食道下部にびらんなどの粘膜傷害が認められます。ピロリ菌に感染していない人では胃酸分泌が保持されますので、ピロリ菌未感染者での発⽣頻度が⾼くなっています。また、食道裂孔ヘルニアなどにより一過性に下部食道括約筋圧が低下することも大きな要因と考えられています。主な症状は胸やけや呑酸ですが、喉の違和感などが出現することもあります。治療としては、プロトンポンプ阻害薬などの酸分泌抑制薬が非常に有効です。
食道異形成(dysplasia)
(しょくどういけいせい)
組織学的に明らかな悪性は指摘できないものの、前がん状態、すなわち、悪性へも進展する可能性のある病変と考えられます。リスク因子は食道癌と同様であり、内視鏡による定期検査が必要です。
食道憩室
(しょくどうけいしつ) 
食道壁の一部がポケット状に外側へと膨らんだものです。胃X線検査や内視鏡検査で偶然⾒つかることがほとんどで、多くが無症状であり、放置してもよい所⾒です。
食道静脈瘤
(しょくどうじょうみゃくりゅう) 
食道粘膜の静脈がこぶのように膨れ、でこぼこになった状態で、多くは食道胃接合部から口側に向けて進展します。その原因の大部分は肝硬変症による門脈圧亢進症です。食道静脈瘤により食物の通過障害を来たすことは稀ですが、進⾏すると破裂して大出⾎を来たすことがあります。治療法としては、内視鏡を用いた硬化療法・静脈瘤結紮術や経⽪経肝的塞栓術、経⽪的肝内門脈静脈短絡術、外科⼿術などがあります。
食道乳頭腫
(しょくどうにゅうとうしゅ) 
通常食道内腔は扁平上⽪という粘膜に被われていますが、この扁平上⽪が増殖・隆起してできたポリープが乳頭腫です。中下部食道に多くみられる良性腫瘍です。放置してもよい所⾒です。
食道平滑筋腫
(しょくどうへいかつきんしゅ)
食道の壁内に発⽣した粘膜下腫瘍の一種で、良性腫瘍です。人間ドックなど健康診断として⾏われる内視鏡で時に偶然に発⾒されることがあります。多くは無症状で経過し、治療の対象となるものは少ないと考えられます。ただし、大きくなると、つかえ感など通過障害の症状が出現することもあり、経過観察や精密検査が必要になることがあります。
食道メラノーシス
(しょくどうめらのーしす)
食道の基底層にあるメラニン顆粒が著しく増殖することで、食道粘膜が⿊⾊調を呈するようになった箇所を食道メラノーシスといいます。まれに、悪性⿊⾊腫が合併することがあり、経過観察または精密検査が必要です。
食道裂孔ヘルニア
(しょくどうれっこうへるにあ)
横隔膜には食道が通るための⽳があり、これを食道裂孔といいます。胃の一部がこの裂孔から胸部へと脱出してしまった状態が食道裂孔ヘルニアです。原因としては加齢や肥満、背中が曲がった方などがあります。ヘルニアが起こると横隔膜による締め付けが弱くなり、胃の内容物が逆流して逆流性食道炎を起こしやすくなります。ほとんどの場合、放置してもよい所⾒です。
バレット食道
(ばれっとしょくどう)
下部食道の扁平上⽪が胃粘膜に近い円柱上⽪に置き換わった状態をバレット食道といいます。前述の逆流性食道炎が主な原因とされています。欧米では食道腺癌(バレット腺癌)の前癌状態と考えられています。軽度の場合は放置しても差し⽀えありませんが、経過観察が必要になることもあります。
壁外性圧排所⾒
(へきがいせいあっぱいしょけん) 
食道の外側にある臓器や病変に押され、食道壁が内側に突出した状態です。大動脈瘤・縦隔腫瘍・リンパ節腫大などによる圧排が疑われる場合は精密検査が必要となります。

引用:日本人間ドック・予防医療学会

【胃】(アイウ順)
ESD後の瘢痕
(いーえすーでぃーごのはんこん)
早期胃癌や胃腺腫などで内視鏡切除(ESDなど)を⾏った後にできる胃潰瘍が修復された状態です。経過観察が必要です。病変の再発が疑われる場合には精密検査が必要になることもあります。
胃潰瘍
(いかいよう) 
胃酸の影響を受けて胃の粘膜に欠損が⽣じた状態を潰瘍といい、潰瘍が完全に治癒し粘膜欠損が修復された状態を潰瘍瘢痕といいます。ピロリ菌の感染と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が2大病因であるといわれています。また、ストレスも⾁体的ストレス、精神的ストレスを問わず潰瘍の原因となります。胃角部に好発し、活動期(A1、A2)、治癒過程期(H1、H2)、瘢痕期(S1、S2)に分類され、活動期や治癒過程期には⽩苔がみられます。重篤な合併症として、出⾎や穿孔(胃に⽳があく)などがあります。治療が必要です。ピロリ菌による胃潰瘍では、除菌治療により再発抑制が可能です。
胃潰瘍瘢痕
(いかいようはんこん)
胃潰瘍が治癒し粘膜欠損が修復された状態で、胃潰瘍の瘢痕期(S1,S2)に相当します。内視鏡的には⽩苔が消失し、典型像は一点に集中した放射状の形態がみられます。経過観察が必要な場合があります。
胃過形成性ポリープ
(いかけいせいせいぽりーぷ) 
消化管の内腔を覆う粘膜の一部が隆起したもので、正常粘膜が単に厚くなったものが過形成性ポリープです。通常大きさは2〜3cmまでで、ほとんどのものは経過観察で問題ありませんが、大きなものからは稀に癌ができることがあり、精密検査が必要となります。また、貧⾎の原因となるような場合には内視鏡切除が必要になることもあります。ピロリ菌による胃の慢性炎症がその発⽣に関係していると考えられており、ピロリ菌除菌治療でポリープが小さくなることもあります。
胃血管拡張(angiodysplasia)
(いけっかんかくちょう)
数ミリ大の円形の発赤として認められ、周囲に⽩暈を伴うこともあります。放置してもよく、治療の必要はありません。 
萎縮性胃炎
(いしゅくせいいえん) 
主にピロリ菌の感染によって引き起こされる胃炎を指します。進⾏すると内視鏡検査で粘膜下の⾎管が透けてみえるようになり、診断は容易となります。大部分の方は無症状ですが、軽度の消化不良または胃もたれや膨満感などの症状を呈することがあります。⾼度の萎縮性胃炎は胃癌発⽣リスクが⾼く、定期的な内視鏡検査が必要です。また、ピロリ菌除菌治療により胃癌発⽣リスクが低下することが期待されています。 稀に、ピロリ菌感染と無関係な自己免疫性胃炎(A型胃炎)のこともあります。
胃底腺ポリープ
(いていせんぽりーぷ)) 
消化管の内腔を覆う粘膜の一部が隆起したもので、茎のない5㎜程度の半球状のものがほとんどです。周囲の粘膜と同じ⾊調をしており、しばしば数個以上みられます。ピロリ菌のいない胃に発⽣することが多く、癌化することもないので、経過観察は不要といわれています。
胃粘膜下腫瘍
(いねんまくかしゅよう)
胃の粘膜層よりも深い胃壁内(粘膜下層、筋層、漿膜下層など)に発⽣した病変を指し、病変が大きくなるにつれ、胃の内腔に突出し隆起を形成したり表⾯にくぼみや潰瘍を形成することがあります。胃粘膜下腫瘍の多くは腫瘍性ですが、非腫瘍性の疾患も含まれています。また、病変は良悪性いずれの場合もあります。経過観察または精密検査が必要です。
キサントーマ(⻩⾊腫)
(きさんとーま)
わずかに隆起する境界明瞭な⽩⾊から⻩⾊調の病変です。星芒状から類縁形まで形はさまざまを呈します。ピロリ菌感染との関係があるとされています。キサントーマ自体は放置してもよく、治療の必要はありません。
腸上皮化生
(ちょうじょうひかせい)
萎縮の進展に伴い胃粘膜が腸上⽪類似の上⽪に置き換わった状態です。内視鏡的に前庭部(胃の出口付近)中心に散在する灰⽩⾊の扁平隆起として認められます。胃癌(特に分化型胃癌)の発⽣⺟地と考えられ、内視鏡による経過観察が必要です。
平坦型びらん性胃炎
(へいたんがたびらんせいいえん) 
胃体部にも認められますが、前庭部(胃の出口付近)に多く認められます。 数ミリ大の発赤を伴い、多発することが多いです。中央部は陥凹し、⽩苔を伴うこともあります。単発性で不整形の場合、癌との鑑別が必要です。経過観察または精密検査が必要です。
壁外性圧排所⾒
(へきがいせいあっぱいしょけん) 
胃周囲臓器により胃壁外から圧排され変形することです。体部では、腸管拡張、肝臓・膵臓(嚢胞・腫瘍など)により圧排所⾒を認めることがあります。原因を調べる精密検査が必要です。
隆起型びらん性胃炎
(りゅうきがたびらんせいいえん) 
以前には、いわゆるʻたこ疣びらんʼと言われていたもので、ポリープ状、棍棒状、数珠状などの形態を取ることがあり、ほとんどは多発しますが、単発のこともあります。さらに⽩⾊陥凹を中心部に伴うことが多いです。前庭部(胃の出口付近)に多いですが、体部にも認められます。単発性で不整形の場合、癌との鑑別が必要です。ピロリ菌未感染者にみられることが多いですが、感染者にみられることもあります。

引用:日本人間ドック・予防医療学会

【十二指腸】(アイウ順)
異所性胃粘膜・胃上皮化生
(いしょせいいねんまく・いじょうひかせい) 
十二指腸に胃の粘膜がみられる状態です。異所性胃粘膜は球部にみられる丈の低い隆起性病変で、先天性病変です。胃上⽪化⽣は、炎症や潰瘍などで、⽣体防御的に発⽣したものです。いずれも病的な意義は少なく、放置しても差し⽀えありません。
十二指腸炎・びらん
(じゅうにしちょうえん・びらん)
十二指腸に炎症がおこった状態です。原因不明の非特異性十二指腸炎と、アルコール、⾹⾟料、薬剤、放射線、細菌・ウイルス感染症、全⾝ 疾患、ストレスなどが原因の特異性十二指腸炎があります。炎症が軽度の場合は放置しても差し⽀えありませんが、炎症がひどい場合は経過観察や内服治療が必要です。
十二指腸潰瘍
(じゅうにしちょうかいよう) 
十二指腸の粘膜に欠損が⽣じた状態です。原因は主にピロリ菌感染であり、その他に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などがあります。球部に好発し、活動期(A1、A2)、治癒過程期(H1、H2)、瘢痕期(S1、S2)に分類されます。重篤な合併症として、出⾎、穿孔、穿通、狭窄があります。治療が必要です。ピロリ菌除菌治療により、潰瘍の再発はほとんどなくなります。
十二指腸潰瘍瘢痕
(じゅうにしちょうかいようはんこん) 
十二指腸潰瘍が治癒した状態です。放置しても差し⽀えありませんが、 経過観察が必要になることもあります。
粘膜下腫瘍
(ねんまくかしゅよう) 
十二指腸の壁内に発⽣した腫瘍です。消化管間質腫瘍(GIST、gastrointestinal stromal tumor)、平滑筋腫、平滑筋⾁腫、神経鞘腫、神経線維腫、脂肪腫、迷入膵などがあり、十二指腸下⾏部に多く発⽣します。20㎜以上のものは要精査、20㎜未満のものは経過観察とします。
Brunner 腺腫・過形成
(ぶるんねるせんしゅ・かけいせい)
十二指腸球部に好発する隆起で、粘膜下腫瘍の形態をとることが多く、 稀に癌化することがあります。Brunner腺過形成は、異型のない Brunner腺が増殖したものです。経過観察または精密検査が必要です。
壁外性圧排
(へきがいせいあっぱい) 
胆嚢病変、膵臓病変等で、外側から十二指腸壁が圧排された状態です。 圧排の原因究明が必要です。圧排の原因によって、経過観察または精密検査が必要です。

引用:日本人間ドック・予防医療学会

胃部X線(バリウム)

(アイウ順)
圧排像
(あっぱいぞう)
胃の周囲の臓器や腹腔内の腫瘤によって、袋状の胃が外側から押されて内腔側に窪んだ所⾒です。胃壁まで病変が及んでいなければ、輪郭は平滑です。呼吸や胃の伸展度により部位や形状が変化します。
胃潰瘍
(いかいよう) 
胃粘膜の⽋損(陥凹)した良性の病変です。出⾎する場合がありますので内視鏡などの精密検査が必要です。
胃潰瘍瘢痕
(いかいようはんこん) 
胃潰瘍が治り、胃粘膜が修復された状態です。年1回の経過観察で良いです。 
胃陥凹性病変(胃潰瘍を除く)
(いかんおうせいびょうへん)
胃粘膜の⽋損(陥凹)した病変で、良性または悪性の胃粘膜下腫瘍や胃癌が含まれます。内視鏡などの精密検査が必要です。
胃憩室
(いけいしつ) 
胃壁の⼀部が外方へ袋状に突出したものです。多くの場合、放置してかまいません。
胃底腺ポリープ
(いていせんぽりーぷ) 
胃の上中部にできる1cm以下の小さな半球状の隆起(ポリープ)です。複数あることが多く、良性です。多くの場合、放置してかまいません。
胃粘膜下腫瘍
(いねんまくかしゅよう) 
胃粘膜の下の層から発生したこぶ状または陥凹した腫瘍性病変です。良性と悪性のものがありますので、⼀部のものを除いて内視鏡などの精密検査が必要です。良性と確認できたものも形や⼤きさの変化の有無の経過観察を⾏います。
胃びらん(表層性胃炎は除く)
(いびらん)
胃のびらんは、潰瘍よりも軽度の被覆上⽪⽋損と定義されるものです。 つまり、⼀番表面の組織である「粘膜組織」が⽋損している状態を指します。胃酸過多による炎症やストレス、飲酒などで起こることがあります。
陰影欠損(辺縁が断裂している場合、充盈像でなくても表現可)
(いんえいけっそん)
主として充盈像(胃をバリウムで充盈して撮影した画像)で、内腔を満 たしたバリウムの⼀部が⽋損した像です。辺縁に⾒られることがほとんどですが、臥位では胃の中央部に⾒られることもあります。まず、進⾏した癌や後述する胃粘膜下腫瘍が疑われますが、⼤きな良性ポリープで⾒られることもあります。
十二指腸潰瘍瘢痕
(じゅうにしちょうかいようはんこん)
十二指腸潰瘍が治り粘膜が修復されたときにできた変化です。 
十二指腸憩室
(じゅうにしちょうけいしつ)
十二指腸壁の⼀部が外側に向かって袋状に拡張した状態です。特に問題ありません。
食道陥凹性病変
(しょくどうかんおうせいびょうへん) 
食道内腔に対して陥凹した(へっ込んだ状態)病変の総称です。食道癌、潰瘍、憩室などによる変化であり、内視鏡検査などによる精密検査が必要です。
食道憩室
(しょくどうけいしつ) 
食道を構成する筋肉の層が弱いために食道の粘膜が食道の外側に突出した状態です。ほとんどは無症状であり、心配する必要はありません。
食道裂孔ヘルニア
(しょくどうれっこうへるにあ) 
食道が横隔膜を通り抜ける間隙である食道裂孔から、本来腹腔内にあるべき胃が胸腔内に入り込む状態を言います。胃酸などの胃内容物が食道へ逆流し、逆流性食道炎を起しやすい状態です。症状があれば治療の対象になりますが、内服治療が効かない場合は手術療法を考慮する場合があります。
石灰化像
(せっかいかぞう) 
カルシウムが体内に沈着したもので、X線検査では濃い⽩色陰影として写ります。粒状、塊状、帯状など⼤きさや形は様々です。多くの場合、特に対処の必要はありませんが、経過観察や精密検査が必要になることもあります。
透亮像(いわゆる”抜け像“のみでなく、付着すべき造影剤が弾かれている場合も含む)
(とうりょうぞう) 
二重造影像で周囲に比べてわずかに造影剤(バリウム)がはじかれた所⾒です。丈の低い隆起を表しており、良性ポリープなどで多くみられます。胃癌(とくに早期癌)などでもみられることがあります。また、気泡や残渣などもよく似た所⾒を呈するので気を付けなければなりません。
ニッシェ
(にっしぇ)
潰瘍によって生じた胃壁の⽋損(窪み)にバリウムがたまった所⾒です。側面像では消化管の辺縁から外側に突出してみえます。二重造影像 や圧迫像でみられる正面像ではバリウムのたまりとして認められます。ニッシェの輪郭や辺縁の性状から良性潰瘍か悪性腫瘍に伴う潰瘍かを判別します。
慢性胃炎(萎縮性、過形成、肥厚性など)
(まんせいいえん) 
胃粘膜に炎症が慢性的に続くことを慢性胃炎と言います。慢性胃炎には胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎や、粘膜が凹凸になる過形成性胃炎、粘膜が厚くなる肥厚性胃炎などがあります。

引用:日本人間ドック・予防医療学会

腹部超音波

【肝臓】(アイウ順)
肝⾎管腫
(かんけっかんしゅ) 
血管から構成される肝臓の代表的な良性腫瘍です。ただし、徐々に⼤きくなることもあり、経過観察を受けて下さい。 
脂肪肝
(しぼうかん) 
肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態です。糖尿病や脂質異常症などの⽣活習慣病と密接な関係があり、内臓脂肪型肥満や飲酒が原因であることが多いです。脂肪肝から肝硬変・肝細胞癌へ発展することがあり、脂肪肝が⾒られる⼈は⽣活改善が必要です。
肝腫瘤
(かんしゅりゅう) 
腫瘍の可能性の低い結節像(炎症後の瘢痕など)を肝臓に認めます。精密検査の必要はありませんが、経過観察を受けて下さい。
肝内石灰化
(かんないせっかいか) 
肝臓にできたカルシウムの沈着のことをいい、エコーでは⽩く描出され ます。肝臓に過去、損傷、結核、寄⽣虫、出血などが⽣じ、現在は治ってしまった場合が⼤部分を占め、放置しても差し支えありません。
肝内胆管拡張
(かんないたんかんかくちょう) 
肝臓内の胆管(胆汁の通り道)が通常より太くなっている状態です。その原因として、腹部超音波検査だけでは判別の付かない総胆管胆石や胆管腫瘍などがありますので、精密検査を受けて下さい。
肝内胆管結石
(かんないたんかんけっせき) 
肝臓内部の胆管にできた結石のことを指します。肝内結石症は他の胆嚢 結石症や総胆管結石症と異なり、治療が難しくまた治療後の再発が⾼率です。肝内結石症の患者さんでは、胆管が膨らんでいたり狭くなっていたりしていることがしばしばあります。精密検査を受けて下さい。
肝嚢胞
(かんのうほう) 
液体が貯留した袋状の病変です。単発あるいは多発し通常は無症状ですが、嚢胞が⼤きくなると腹部膨満感、圧迫感等の自覚症状が認められることもあります。

引用:日本人間ドック・予防医療学会

【胆のう・胆管】(アイウ順)
胆管拡張
(たんかんかくちょう) 
肝外胆管(肝臓から十二指腸への胆汁の通り道)が8mm以上(胆嚢摘 出後は11mm)に拡張した状態です。胆管結石や腫瘍が疑われる場合には精密検査が必要です。
胆管結石
(たんかんかくちょう) 
肝外胆管(肝臓から十二指腸への胆汁の通り道)にある結石のことです。膵臓炎や⻩疸の原因となるため早急に治療が必要です。超音波検査では胆道気腫と紛らわしいことがあります。
胆泥
(たんでい)
濃縮胆汁や感染に伴う炎症性産⽣物のことですが、胆嚢がんなどの腫瘍と紛らわしい超音波像を示すため精密検査が必要です。
胆嚢結石
(たんのうけっせき) 
胆嚢内に形成された結石のことで胆嚢炎や胆管炎の原因となります。胆嚢壁の肥厚を伴う場合や結石の後方の胆嚢壁が十分に観察できない場合には悪性腫瘍との鑑別のため精密検査が必要です。
胆嚢腺筋腫症
(たんのうせんきんしょう) 
胆嚢の壁が全体あるいは限局的に肥厚する良性疾患です。⼈間ドック受診者の1%前後に認められています。経過観察を受けて下さい。
胆嚢ポリープ
(たんのうぽりーぷ) 
胆嚢の内側にできる隆起です。⼈間ドック受診者の10%程度に⾒られると言われています。10mm未満でかつ良性であることを示す所⾒が認められる場合は問題ありません。
びまん性胆嚢壁肥厚
(びまんせいたんのうひこう) 
胆嚢の壁が全体的(びまん性)に厚みを増しています。その原因とし て、慢性的な胆嚢の炎症などがありますので、精密検査を受けて下さい。

引用:日本人間ドック・予防医療学会

【膵臓】(アイウ順)
膵腫瘤
(すいしゅりゅう) 
腫瘍の可能性の低い結節像(炎症後の瘢痕など)を膵臓内に認めます。 精密検査の必要はありませんが、経過観察を受けて下さい。
膵嚢胞
(すいのうほう) 
液体の入った袋状の病変です。膵液が溜まっている場合や、液体を産⽣する腫瘍ができている場合などがあります。小さくて単純な形の嚢胞は問題ありません。5mm以上の嚢胞や複雑な形の嚢胞は経過観察や精密検査が必要です。
膵の変形
(すいのへんけい)
膵臓の⼤きさや形は⼈により様々で、腫瘍などができていなくても部分的に⼤きくなっていることもありますので、内部に異常がなければ⼼配はありません。
膵腫大
(すいしゅだい) 
膵臓が膨れて厚みが厚くなっていることです。膵炎などの炎症や腫瘍の可能性もあるので精密検査が必要です。但し、病気ではなく、もともと膵臓が⼤きい方もおられます。

引用:日本人間ドック・予防医療学会

【腎臓】(アイウ順)
腎萎縮
(じんいしゅく) 
腎臓の⼤きさが、両側ともに8cm未満の時に、腎萎縮と記載しています。糖尿病の場合を除いて、慢性腎不全になると、一般的に腎臓は萎縮して小さくなっていきます。
腎盂拡張
(じんうかくちょう) 
様々な原因で尿の流れが妨げられ、腎臓の中に尿がたまった状態です。 軽度の場合は特に⼼配いりません。中等度から⾼度の場合は、結石や腫瘍が原因となっていることがあるため、精密検査が必要です。
腎⾎管筋脂肪腫
(じんけっかんきんしぼうしゅ) 
腎臓に発⽣する最も頻度の⾼い良性腫瘍です。腫瘍組織は血管・筋・脂肪から構成されます。基本的には経過観察でよいのですが、腫瘍が⼤きい場合は出血の危険性もあり、外科的手術の適応となることがあります。
腎結石
(じんけっせき) 
腎臓にできた結石です。10mm以下の結石は自然排石も期待できますので、十分な⽔分摂取などを⼼がけて様⼦を⾒てください。10㎜以上 の結石は、定期的な(6〜12か⽉毎)経過観察を⾏ってください。結石が、尿路に嵌頓して(詰まって)⽔腎症をきたす場合や、腎盂全体に結 石ができるサンゴ状結石などはESWL(体外衝撃波結石破砕術)などの治療が必要となることがあります。腰痛や腹痛などの症状がある場合には、速やかに内科もしくは泌尿器科を受診して下さい。
腎腫瘤
(じんしゅりゅう) 
腫瘍の可能性の低い結節像を腎臓に認めます。良性か悪性かの鑑別のために、精密検査を受けて下さい。
腎石灰化
(じんせっかいか) 
腎実質に、カルシウムが沈着した状態です。炎症性など様々な原因で石灰化がみられます。そのほとんどは良性所⾒であり、放置しても差し支えありません。
腎嚢胞
(じんのうほう) 
液体が貯留した袋状の病変です。単発あるいは多発し、加齢とともに発⽣頻度が増加します。良性病変で、放置してもよいのですが、嚢胞が⼤きく、周辺臓器への圧迫症状や破裂の危険性がある場合や、⽔腎症をきたす場合(傍腎盂嚢胞)などは治療(外科的手術など)の適応となることがあります。
腎の変形
(じんのへんけい)
腎臓は左右に各1個ありますが、左右で⼤きさが違ったり、左右がつながっている(馬蹄腎)場合などがあります。特に⼼配はありません。
腎腫大
(じんしゅだい) 
腎臓の⼤きさが、両側ともに12cm 以上の時に、腎腫⼤と記載しています。糖尿病による腎症では、初期に腫⼤し慢性腎不全になっても萎縮しないことが特徴です。急性の腎不全や悪性病変で両側腎が腫⼤することがあり、精密検査が必要です。
水腎症
(すいじんしょう) 
腎盂拡張が中等度から⾼度の場合、⽔腎症と記載しています。超音波検査で結石や腫瘍が⾒えなくても、それらが⽔腎症の原因となっていることがあるため、精密検査が必要です。

引用:日本人間ドック・予防医療学会

【腹部大動脈・その他】(アイウ順)
脾腫
(ひしゅ) 
超音波で脾の最⼤径が10cm以上の場合を脾腫としています。軽度の脾腫は病気ではありません。原因が感染症(肝炎、マラリア、結核など)、腫瘍(リンパ腫、⽩血病、骨髄線維症など)、貧血、蓄積症(アミロイドーシス、ヘモシデローシスなど)、うっ血肝(肝硬変、バンチ症候群など)、膠原病など多岐にわたるため精密検査が必要な場合があります。
脾腫瘤
(ひしゅりゅう) 
脾臓に超音波で⽩く映るしこりがある時に、脾腫瘤と記載しています。 脾臓の血管が増えてできる良性腫瘍の血管腫などが考えられますが、一度は精密検査が必要です。
脾嚢胞
(ひのうほう) 
液体が貯留した袋状の病変です。良性病変で特に⼼配はありません。
副脾
(ふくひ) 
脾臓の近くに脾臓と同じ組織像をもつ1〜2cm⼤の腫瘤のことを副脾と呼びます。病的意義はなく特に治療の必要性もありません。
リンパ節腫大
(りんぱせつしゅだい) 
リンパ節が腫れて⼤きくなっている状態です。超音波で短径7mm以上の場合をリンパ節腫⼤としていますが10mmまでで扁平な場合には炎症による腫⼤が多く経過観察をお勧めしています。それ以外の場合には腫瘍性(悪性リンパ腫、⽩血病、肉腫、転移性腫瘍など)の疑いがありますので治療の要否や治療法の決定のため精密検査が必要です。

引用:日本人間ドック・予防医療学会

胸部X線

(アイウ順)
横隔膜の挙上
(おうかくまくのきょじょう) 
横隔膜が上にあがっている状態です。横隔膜神経の麻痺、横隔膜弛緩症、肝腫⼤、横隔膜ヘルニアなどでみられます。
気管支壁の肥厚像
(きかんしへきのひこうぞう) 
慢性気管支炎や気管支拡張症など慢性の炎症によって気管支壁が厚くなり、肺の中層部において2本の平⾏した線に⾒える所⾒です。
奇静脈葉
(きじょうみゃくよう) 
奇静脈が発⽣途中で肺を横切ったために、右肺の上部が2つに分かれている状態です。⽣まれつきの異常によるものです。
胸郭変形
(きゅうかくへんけい) 
胸郭変形とは、鳩胸や漏⽃胸などのように、胸郭が出っ張ったり凹んだりと変形してしまうことです。
胸膜肥厚
(きょうまくひこう) 
肺を包む胸膜が厚くなった状態です。過去の胸膜炎、肺感染症などが考えられます。
結節影
(けっせつえい) 
胸部エックス線画像に映った直径3 cm以下の類円形の陰影をいいます。原発性肺がんや、⼤腸がん、腎がんなど他の部位からの転移、結核、肺真菌症(カビで起こる病気)、非結核性抗酸菌症、陳旧化した肺炎、良性腫瘍(過誤腫など)などに⾒られます。
索状影
(さくじょうえい) 
太さが2〜3mmのやや太い陰影を索状影といいます。肺感染症が治った痕跡などとして現れます。
心陰影の拡大
(しんいんえいのかくだい) 
心臓の陰影の横幅が胸の横幅の50%よりも⼤きくなっています。肥満、心不全、心臓弁膜症などの場合に⾒られます。
浸潤影
(しんじゅんえい) 
肺胞内への細胞成分や液体成分が⼊り込んで⽣じる境界の不明確な陰影をいいます。肺炎、肺結核など肺感染症に⾒られます。
脊椎側弯
(せきちゅうそくわん) 
背骨が、左右どちらかに弯曲していることを⾔います。
石灰化影
(せっかいかえい)
肺結核などが治ったあとに⽯灰分が沈着して⽩く映る陰影です。肺過誤腫などにも⽯灰化影を⾒ることがあります。
線状影
(せんじょうえい) 
太さが1〜2mmの細い線状の陰影をいいます。葉間胸膜の肥厚や、心不全でのリンパ管の拡張などで現れます。
大動脈弓の突出
(だいどうみゃくきゅうのとっしゅつ) 
⼤動脈の上部はループを描いて⾛⾏していますが、そのループが⼤きく拡⼤しています。動脈硬化などの場合に⾒られます。
肺⾎管影の減少
(はいけっかんえいのげんしょう)
肺に肺気腫が⽣じて肺が過膨張に陥ったり、肺⾎管に⾎栓が詰まって肺の⾎流が減少したときに⾒られます。肺がんなどで肺葉を切除したあとの残存肺や無気肺に陥った肺葉の隣接肺が代償性に膨張したときにも⾒られます。
斑状影
(はんじょうえい) 
辺縁が少しぼけた斑点状の陰影をいいます。肺感染症に起因することが多く、肺結核や肺炎の初期、非結核性抗酸菌症、肺真菌症などに⾒られます。
網状影
(もうじょうえい) 
肺の奥深くでガス交換を⾏う肺胞の支持組織を肺間質と呼びますが、そこへ細胞や浸出液が⼊り込むと、肺間質や周りの⼩葉間結合織が肥厚します。すると直径数mm前後の網の目状に⾒える陰影が広範囲に拡がって⾒えるようになります。肺線維症(間質性肺炎)、サルコイドーシ スなどに⾒られます。
粒状影
(りゅうじょうえい) 
直径数mm以下の顆粒状の陰影で、び漫性に広い範囲に⾒られる事の多い陰影です。粟粒結核、肺真菌症、びまん性汎細気管支炎などに⾒られます。
漏⽃胸
(ろうときょう) 
胸の前面中央にある胸骨が内側に陥凹していることを⾔います。
肋骨島
(ろっこつとう) 
骨島は海綿状骨の骨内に限局した内骨腫で、限局性の骨硬化像として確認されます。病的意義はありません。

引用:日本人間ドック・予防医療学会

心電図

(アイウ順)
RSRʼパターン
(あーるえすあーるぱたーん) 
⼼房からの電気刺激は⼼室に⼊ると右室は右脚、左室は左脚前枝・後枝に分かれ合計3本の⼼筋内伝導ルートを伝わり左右⼼室の筋⾁を収縮させます。 RSRʼパターンは、右脚の電気の流れがわずかに障害されている場合に認めます。いわゆる異常⼼電図波形として指摘されますが、正常者でも認めることがあり問題ありません。
R波増⾼不良
(あーるはぞうこうふり
ょう) 
⼼電図波形のR波(上向きの幅の狭い波)は、胸の左側の電極で記録した方が、胸の真ん中付近の電極で記録したものよりも大きくなるのが普通です。これが、ほとんど大きさが変わらない場合をR波増⾼不良と呼びます。⼼筋梗塞や肺気腫、⼼筋症などでみられますが、痩せ型の体型の方にもよく現れます。
異常Q波
(いじょうきゅーは) 
⼼電図波形のQ・R・S波は、上向きのR波と下向きのQ波、S波で成り⽴っています。そのうちQ波が著しく大きくなる場合を異常Q波といいます。⼼筋梗塞や⼼筋症など強い⼼筋障害によって⾒られます。
Ⅰ度房室ブロック
(いちどぼうしつぶろっく) 
房室ブロックは⼼房から⼼室への電気の流れ(刺激伝導)に障害がある状態です。Ⅰ度房室ブロックは、何らかの原因で⼼房-⼼室間の電気の流れに時間が かかっているが⼼室へ刺激は伝わっている状態です。ブロックの程度が悪化しなければ問題ありません。しかし新しく生じた場合や極端な伝導時間の延⻑そして自覚症状がある場合などには注意が必要です。
陰性T
(いんせいてぃー) 
⼼電図波形のT波は収縮した⼼臓が元に戻るときにできる波です。陰性T波とは通常は山型をしているT波が⾕のようにへこんだ状態で、⼼筋梗塞、⾼⾎圧や⼼筋症による⼼肥大、脳内出⾎などでみられます。
右胸心
(うきょうしん) 
通常左側にある⼼臓が右側にあり、左右対称に⼊れ替わっている状態です。左胸部につける導⼦を右胸部に付け替えて⼼電図記録を⾏います。
ST上昇
(えすてぃーじょうしょう) 
⼼電図波形のうちで、ST部分が通常より上がった状態です。⼼筋梗塞、⼼筋炎、ブルガダ症候群などでみられますが、⼼臓に病気がなくても現れることがあります。
ST-T低下
(えすてぃーてぃーていか) 
⼼電図波形のうちで、ST部が通常より下がった状態です。⼼臓の筋⾁の⾎液の流れが悪い場合(⼼筋虚⾎)や、⼼臓の筋⾁が厚くなった状態(⼼肥大)などで起こりますが、病気でなくても起きることがあります。ST部分の傾きで、上⾏傾斜型、U字型、⽔平型、下降傾斜型等に分かれます。
完全右脚ブロック
(かんぜんうきゃくぶろっく) 
右脚の電気の流れがブロックされた状態です。基礎疾患のない右脚ブロックは問題のない事が多く、電気の流れは左脚を通って伝わりますので右⼼の収縮には影響はありません。定期的に⼼電図検査を受けるようにしてください。狭⼼症、⾼⾎圧性⼼疾患などを合併し指摘された場合には原疾患に対する治療が⾏われます。
QT間隔延⻑
(かんぜんうきゃくぶろっく) 
QT間隔(時間)はQRS波の最初からT波の終末部までの時間で、⼼拍数や自律神経、電解質(低カリウム・低カルシウム)、薬物(抗不整脈薬・抗精神 薬・抗生物質の一部)などにより変化します。QT時間が延⻑する状態では⼼筋各部で興奮持続時間のばらつきが生じ危険な不整脈が起こりやすくなります。
境界域Q波
(きょうかいいききゅーは) 
やや大きめのQ波ですが、異常Q波よりも程度の軽いものです。尚、異常Q波に関しては、該当項目を参照して下さい。
上室性期外収縮
(じょうしつせいきがいしゅうしゅく) 
洞結節より早く別の場所で⼼臓の拍動が指令される場合を期外収縮といい、⼼房や房室接合部(上室)で発生した場合、上室性期外収縮となります。緊張、 興奮、ストレスなどで起こることもあります。動悸を感じたり、頻繁に起きる場合は薬物で治療することもあります。
心室性期外収縮
(しんしつせいきがいしゅうしゅく) 
本来、⼼臓の収縮が指令されない⼼室から、通常のリズムよりも早く発生した状態をいいます。健康な人では興奮、喫煙、過労などでみられます。⼼臓疾患の方でみられた場合、危険な不整脈に移⾏する可能性を検査する必要があります。
心房細動
(しんぼうさいどう) 
⼼房内で洞結節とは異なる無秩序な電気信号が発生し、その興奮が不規則に⼼室に伝わる状態です。⼼房の中で⾎流が滞り⾎栓を作ることがあるため、脳梗塞の予防も含めた治療が必要です。
WPW症候群
(だぶりゅーぴーだぶりゅーしょうこうぐん) 
⼼房-⼼室間の電気が伝わる正常なルート以外に副伝導ルート(ケント束)が存在するため⼼房⼼室伝導時間が短縮します。異常な伝導による頻拍発作がなく自覚症状もなければ問題ありません。頻拍発作の回数が多く⽇常生活に制限が生じる場合や失神などの重い症状を認める場合には医療機関を受診し精密検査を受けてください。
低電位差
(ていでんいさ)
⼼電図のQRS波の⾼さ(振れ幅)が⼩さくなる所⾒です。⼼筋梗塞などで⼼臓の収縮⼒が弱った時、体内の⽔分貯留や肺気腫など肺に含まれる空気が増加した時、肥満などでみられます。
洞徐脈
(どうじょみゃく) 
⼼電図波形は正常ですが、⼼拍数が少ないものをいいます。⼼臓に拍動を指令する部位(洞結節)の異常や甲状腺機能低下症のほか、健康な人でもスポーツをよく⾏っている人にみられます。
不完全右脚ブロック
(ふかんぜんうきゃくぶろっく)
右脚の電気の流れがわずかに障害されていますが、伝導時間は正常範囲内に保 たれており問題のない状態です。いわゆる異常⼼電図波形として指摘されますが、RSRʼパターンと同様に正常者でも認めることがあり問題ありません。
平低T
(へいていてぃー) 
⼼電図波形のT波は収縮した⼼臓が元に戻るときにできる波です。平低T波とは通常はなだらかな山型をしているT波が平坦になった状態で、⼼筋梗塞や左室肥大ではST部分の異常を伴ってみられます。健常⼥性や肥満でもみられることがあります。

引用:日本人間ドック・予防医療学会

(アイウ順)
加齢⻩斑変性
(かれいおうはんへんせい)
網膜の中⼼で物を⾒るのに⼤切な細胞が集中する⻩斑部が、じわじわと障害されて視⼒障害を⽣じる病気です。
加齢⻩斑変性前駆病変(ドルーゼン、網膜⾊素上⽪の異常)
(かれいおうはんへんせいぜんくびょうへん)
網膜の視細胞が産⽣する⽼廃物が、上⼿く処理されないで蓄積された 状態です。加齢⻩斑変性の前段階とされています。
近視性⻩斑症
(きんしせいおうはんしょう)
強度近視により眼球の壁が引き伸ばされた状態で、⻩斑部の網膜にすきまができたり、はがれたりして視⼒が低下します。
視神経乳頭陥凹の拡大
(ししんけいにゅうとうかんぼつの
かくだい)
網膜の神経線維が減少すると視神経乳頭の凹が通常よりも⼤きくなります。緑内障を疑う重要な所⾒です。
判読不能
(はんどくふのう)
瞳の⼤きさが小さいためや、⽩内障や硝⼦体混濁の影響で、眼底写真がきれいに写らないため正確な判定ができない状態です。
網膜前(上)膜
(もうまくぜん(じょう)まく) 
⻩斑部を中⼼に形成される膜状物をいいます。視⼒障害が強い場合は硝⼦体⼿術をします。
有髄神経線維
(ゆうずいしんけいせんい) 
網膜の神経線維は鞘を被っていませんが、⽣まれつき鞘を被った状態 で⽩いブラシの刷⽑のように⾒える所⾒です。
レーザー治療後
(れーざーちりょうご)
以前に糖尿病網膜症や網膜出⾎などに対して以前に糖尿病網膜症や網膜出⾎などに対してレーザー光凝固を⾏った所⾒があります。

引用:日本人間ドック・予防医療学会