生活習慣病とは
食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒等の生活習慣が、その発症や進行に関与する疾患の総称です。
生活習慣病に関連する病気
高血圧・糖尿病(インスリン非依存性)・脂質異常症(家族性は除く)・肥満・高尿酸血症・循環器疾患(先天性を除く)・脳血管障害・アルコール性肝疾患・がん・歯周病などがあります。
生活習慣の乱れが高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などを生じ、動脈硬化を促進させ、心臓病や脳血管障害を発症、進行させます。
また喫煙や過剰な飲酒が肺がん、食道がん、大腸がんなどの発症と強い関連があります。
これらの生活習慣を改善することで、動脈硬化の進展を抑制し、心臓病や脳血管疾患の発症を抑え、また関連するがんの発症を抑えることができます。
定期的に健康診断店人間ドックを受診いただくことで、ご自身の身体状態を把握し、必要に応じ早期に生活習慣を改善することが重要です。
生活習慣とがん
生活習慣によるがんには以下のようなものがあります
- 1.肥満
- 肝臓・膵臓・大腸・乳房(閉経後)・子宮体部・腎臓。
- 2.喫煙
- 肺がん、食道がん、膵がん、胃がん、大腸がん、膀胱がん、乳がん、喫煙者は非喫煙者に比べて、がんになるリスクが約1.5倍高まります。受動喫煙でも肺がん(特に腺がん)や乳がんのリスクは高くなります。
- 3.飲酒
- 食道がん、大腸がんと強い関連があり、乳がんのリスクが高くなります。
- 1日平均アルコール摂取量
- 純エタノール量で23g未満の人に比べ、2倍の46g以上では40%程度、 3倍の69g以上では60%程度、 がんになるリスクが高くなる報告があります
生活習慣病とメタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドロームとは、内臓肥満の状態(腹囲が男性は85cm、女性は90cm以上)があり、かつ、高血圧(130/85mmHg以上)・脂質異常症(HDLコレステロールが40mg/dl以下あるいは中性脂肪が150mg/dl以上)・高血糖(空腹時血糖が110mg/dl以上)の3つの項目のうち、2つ以上があれば診断されます。動脈硬化による脳梗塞や心筋梗塞などに罹る危険性が大きくなります。
動悸
動悸とは、心拍数の増加、心拍リズムの不整、拍動の増強を生じたときに心臓の拍動を不快と自覚することの総称です。動悸がするとそれがすべて病気かというと、決してそうではありません。健常者でも緊張・興奮・運動などの生理的な変化により頻脈になったとき、心収縮力が増大したり、血圧が上昇したりして心機能が亢進したときに自覚することがあります。
動悸が生じたときに、可能性がある病気には以下のようなものがあります
- 心臓が原因
- 不整脈・虚血性心疾患・心筋症・心臓弁膜症・先天性心疾患など、心臓以外の原因:貧血・発熱・甲状腺機能亢進症・慢性肺疾患・精神的要因など、があります。
- 検査
- 安静心電図、胸部X線、心臓超音波、血液検査、24時間心電図等。
- 胸痛
- 30分以上持続する胸痛。
心筋梗塞、急性大動脈解離、急性肺塞栓、心膜炎/心筋炎、緊張性気胸、急性膵炎、消化性潰瘍穿孔、食道破裂などがあります。
急性心筋梗塞
急性心筋梗塞の症状
- 典型例
- 通常30分以上持続する胸痛、前胸部に強度の胸痛や絞扼感、喉、顎、肩、上肢に放散痛を伴うこともある。
- 非典型例
- 無痛例では全身倦怠感、嘔気、嘔吐、呼吸困難、ショックから発症することがあります。
- 合併症状
- 冷汗、嘔気(徐脈、血圧低下、ショック例)、呼吸困難(左心不全合併例)、意識消失、失神(ショック例、不整脈例)
急性大動脈解離
- 症状
- 突然で強烈な痛みがある。
胸部から背部へ、また腰部へと痛みが移動すれば、まず本症を疑います。
各血管の閉塞、狭窄症状をきたすことがあります。
心タンポナーデによるショック、大動脈弁逆流による心不全症状をきたすことがあります。
狭心症
心臓の筋肉(心筋)へ酸素と栄養素を送る動脈(冠動脈)が動脈硬化などにより細くなり、心筋への血流が阻害されて酸素不足を起こし、胸の痛みなどが生じる病気です。
- 症状
- 「締めつけられるような前胸部の痛み」や「圧迫感」です。坂道や階段を上ったり、重い荷物を持ったりなど、心臓に負担のかかる労作時に症状が出る場合を「労作性狭心症」と言います。また冠血管が攣縮(痙攣性の収縮)により安静時に生じる「異型狭心症」があります。
背中や上腹部、左肩や首からあごにかけて痛みが出ることもあるので、胃潰瘍や胆石症と間違われることもあります。また、糖尿病の方は痛みを感じにくいことが多いです。 - 検査
- 心電図、核医学検査(シンチグラム)、心臓超音波検査、心臓CT検査などを行い、最終的には心臓カテーテル検査によって診断します。