検査項目の解説
身体計測
標準体重 | 身長(m)²×22で計算されます。この体重に近い人は様々な病気になる確率が低いとされています。 |
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BMI | 体重(kg)÷身長(m)²で計算されます。22が標準値です。25以上は「肥満」、18.5未満は「やせ」と診断されます。 |
腹囲 | へそ周囲を測定した値です。日本では男性85cm以上・女性90cm以上の場合、内臓肥満症候群(メタボリックシンドローム)の可能性があるとされています。 |
血圧
収縮期血圧 | 拡張期血圧 | ||
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正常血圧 | 120未満 | かつ | 80未満 |
正常高値血圧 | 120~129 | かつ | 80未満 |
高値血圧 | 130~139 | かつ/ または |
80~89 |
Ⅰ度高血圧 | 140~159 | かつ/ または |
90~99 |
Ⅱ度高血圧 | 160~179 | かつ/ または |
100~109 |
Ⅲ度高血圧 | 180以上 | かつ/ または |
110以上 |
(孤立性) |
140以上 | かつ | 90未満 |
緊張や環境の変化で測定値の変動が大きい検査です。当クリニックでは、2回以上測定した平均値で判定します。なお、血圧が高めの方は、家庭血圧の測定をおすすめします。起床後1時間以内、排尿後・朝食排便前で上腕での測定をおすすめします。
聴力
1000Hzの低音域と4000Hzの高音域で測定しています。
聴力は20歳代前後をピークに聴力は徐々に低下し始めます。
聴力は耳だけでなく脳も関与しているので、現在の状態を確認し、必要に応じて耳鼻科受診を勧めます。
肺機能
努力性 |
胸いっぱいに吸い込んだ息を一気に吐き出した時の空気の量を調べます。 |
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%肺活量 | 年齢や性別から算出された予測肺活量(基準値)に対しての、実測肺活量の比率を調べます。 |
1秒量 | 努力性肺活量のうち、最初の1秒間に吐き出された空気の量を調べます。 |
1秒率 | 努力性肺活量に対する1秒量の比率を調べます。 |
血液学検査
白血球数 | 炎症を伴う疾患・白血病、喫煙などで増加します。体質的にも、高値、低値を示す場合があります。 |
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赤血球数 | 脱水・喫煙などで高値を示し、貧血等で低値を示します。 |
ヘモグロビン ヘマトクリット MCV・MCH・ |
ヘモグロビン(Hb)は赤血球に含まれ血液中で酸素を運搬します。ヘモグロビン低値のことを貧血といい、MCV等の値は貧血の種類や原因を推測するときに有用です。 |
白血球分類 | 白血球は5つの重要な分画(血液像)から構成されています。通常、各分画は白血球中で一定の比率を保って存在していますが、異常が発生すると、その比率に変化が現れます。白血球分類検査はその比率の増減を見る検査です。 |
炎症
CRP | 主に炎症反応を表す蛋白質を測定しています。感染症等の急性炎症だけでなく、悪性疾患や自己免疫疾患、慢性炎症性疾患等でも上昇します。 |
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感染症
TP抗体 | 梅毒の検査です。陽性の場合、感染が疑われます。 |
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HBs抗原 | B型肝炎ウィルスに感染しているかを調べます。陽性の場合は、治療の必要性やウィルスのタイプや量を調べる採血検査を実施する必要があります。 |
HCV抗体 | C型肝炎ウィルスに感染しているか、あるいは以前に感染したことがあるかを調べます。 |
脂質
HDL- |
善玉コレステロールと言われ、動脈硬化を起こしにくくします。肥満、運動不足、喫煙で低値を示します。 |
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LDL- |
悪玉コレステロールと言われ、動脈硬化を促進する主たる原因の一つです。肥満・運動不足・動物性脂肪の取り過ぎや体質等で高値となります。 |
中性脂肪 | 動脈硬化の危険因子のひとつです。体質のほか、運動不足・炭水化物の多い食事・アルコール摂取が高値の原因となります。 |
糖代謝
尿糖 | (+)以上の場合、尿中に糖が出ている状態です。糖尿病や腎性糖尿の可能性があります。 |
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空腹時 |
空腹時血糖値が126以上で、糖尿病が疑われます。HbA1cと併せて糖尿病の診断をします。 |
HbA1c | 過去約2ヶ月の血糖の平均値を反映しています。高値を示す場合は糖尿病の疑いがあります。 |
肝機能
AST ALT γ-GTP ALP |
数値が高いほど肝細胞障害や胆道系疾患が存在する可能性があります。 |
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LDH | 心臓・赤血球・腎臓・筋肉・肝臓・皮膚などほとんどの臓器に含まれていますので多様な疾患で上昇します。 |
総ビリルビン | ヘモグロビンが分解されてできる色素で黄疸の原因物質です。体質性黄疸や肝胆道系疾患で高くなります。 |
総蛋白・ |
肝臓で合成される代表物質です。腎疾患や肝硬変・栄養不足などで低下する場合があります。 |
尿酸
尿酸 | 体内に蓄積されると、痛風などの疾患を引きおこすことがあります。 |
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膵機能
アミラーゼ | 唾液腺や膵臓でつくられます。数値が高い場合は、唾液腺や膵臓に炎症や異常がある可能性があります。 |
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腎機能
尿素窒素 クレアチニン |
腎臓から尿中に排泄される物質です。腎機能の障害で正常に排泄されず、高値を示します。 |
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eGFR | 推定糸球体ろ過量の略で、年齢・性別を考慮して血清クレアチニン値から算出された腎機能です。60未満の場合は、腎機能低下が疑われます。年齢や尿所見と合わせて総合的に判断します。 |
電解質
ナトリウム・カリウム クロール・カルシウム |
腎機能障害や内分泌疾患など様々な疾患で異常値が出る場合があります。脱水や飲水でも変動します。 |
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甲状腺機能
TSH | 下垂体という脳の一部から分泌される物質で、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンの分泌を促します。 |
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Free T3 Free T4 |
頸部前面にある甲状腺から分泌される物質です。主に体温や脈拍の調節に関与しタンパク質やコレステロールの値にも影響します。 |
胃機能
ペプシノゲン | 胃粘膜から分泌される物質で、胃粘膜の萎縮の程度を調べることで、その人が、「胃がんになりやすいか」どうかを調べる検査です。 |
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ピロリ抗体 | 体の中にピロリ菌に対する抗体があるかどうかを調べる検査です。除菌が成功した後でも陽性が続くこともあります。 |
ABC検診 |
ペプシノゲンとピロリ抗体を測定することで、胃がんのリストを予測します。
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腫瘍マーカー
腫瘍マーカーは悪性疾患で上昇する場合がありますが良性疾患でも高値となること、 悪性疾患があるにもかかわらず正常値に収まることがあります。単独での診断は難しいため、一部のマーカーは画像所見と合わせての総合的な判断となります。
CEA | 胃がん、大腸がんなどの消化器系悪性腫瘍、肺がん、乳がん、甲状腺がん |
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AFP | 肝臓がん |
CA19-9 | 胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がん、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣がん、肺がん、子宮体がんなど |
PSA | 前立腺がん |
CA125 | 婦人科系がん(卵巣がん、子宮頚がん、子宮体がん) |
シフラ | 肺がん |
NSE | 肺がん、神経芽細胞腫など |
CA15-3 | 乳がん、卵巣がんなど |
SCC | 子宮頚がん、肺がん、食道がん、頭頸部がんなど |
リウマチ検査
RF・抗CCP抗体 | 関節リウマチなどで異常値を示します。 |
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心不全・動脈硬化
NT-proBNP | 心臓の異常の有無を調べます。高値の場合、心不全(心機能低下)が疑われます。 |
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血圧脈波検査 (ABI・CAVI) |
動脈のつまりの程度や、硬さの程度を調べます。 |
尿検査
比重 | 尿中の水分とそれ以外の物質の割合を見ます。低比重だと慢性腎炎、尿崩症などが、高比重だとネフローゼ症候群、糖尿病などが疑われます。ただし、人間ドックの場合、食事や飲水の制限をしていますので高く出る可能性があります。 |
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蛋白 | 尿中の蛋白の有無により、腎臓や尿管などの障害の有無を調べます。陽性の場合、尿路感染症、腎炎、ネフローゼ症候群などが疑われますが、風邪や過労などでも一時的に陽性になります。 |
潜血 | 尿中に血液が混じっていないか調べます。陽性の場合、腎臓や尿管の炎症、結石などが疑われます。 |
ウロビリノーゲン ビリルビン |
肝臓・胆嚢の障害を調べる指標のひとつです。両者には強い相関があり、ともに数値が増加していれば、急性肝炎、肝硬変、胆道閉塞などが疑われます。 |
ケトン | 体内で糖分が不足し、脂肪分解が急激におきると血液中に出てくる物質です。糖尿病では糖をエネルギーとして吸収できないため、体内で糖が不足した状態になり、ケトンが発生します。 |
尿沈渣 | 尿を遠心分離器にかけたときに沈殿してくる赤血球や白血球、結晶成分などの固形成分のことです。尿沈渣の性状によって腎疾患や泌尿器系疾患の可能性を推定します。 |
便検査
便潜血 | 便に血が混じっているかを調べます。陽性の場合、大腸がんや大腸ポリープなどの疾患の可能性がありますので、大腸内視鏡検査が必要です。 大腸カメラ |
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骨密度検査
骨密度検査 | 骨の強さを表す指標で、これが低下すると骨がもろくなり骨折しやすくなります。 当院ではかかとの骨に超音波を当て、骨の強さを反映する測定方法(超音波法(QUS))で検査します。 |
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眼科系検査
視力 | 現在の視力の程度を確認します。5m(遠方)の距離の視力を測定します。 |
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眼圧 | 房水という液体によって保たれている眼球内圧(眼圧)を測定する検査です。眼圧が高い場合は緑内障が疑われます。ただし、正常眼圧緑内障の場合もあります。 |
眼底 | 眼底とは、眼球の内壁を構成する組織を指します。眼底を撮影し、細動脈や網膜の状態を観察します。糖尿病や高血圧の変化、緑内障を疑う視神経乳頭の変化、黄斑部等の病変等を観察します。視力や眼圧等と合わせ診断します。 |
頭部MRI検査
MRIは、強力な磁場を発生させて身体の断面像を撮影する装置で、CTでは映りにくい部分も高精度で撮影できます。
MRIでは頭蓋内の断層写真をつなぎ合わせて立体画像化し、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの病変の手がかりを調べます。
MRAでは、脳動脈瘤、脳梗塞、脳動静脈奇形、もやもや病、閉塞性動脈病変などの病変の手がかりを調べます。
胸部検査
胸部X線 | 左右の肺や心臓など、胸部の臓器の形や病変を検査します。肺結核、肺炎などの肺の炎症、肺がんなどを調べます。 |
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胸部CT | 胸部をX線撮影し、それをコンピューター処理することで、胸部を輪切りにした画像を映す検査です。肺や気管、気管支などの病変を調べます。特に肺がんの発見、診断には欠かせない検査となっています。 |
喀痰細胞診 | 喀痰には、肺や気管支、咽喉頭など気道からはがれた組織が含まれています。喀痰検査では、がん細胞の有無を調べることができます。 |
心血管検査
心電図 | 心臓の電気信号を記録します。主に不整脈や狭心症・心筋梗塞・心筋症等の診断に有用です。 |
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心臓超音波検査 | 超音波で心臓機能の状態や動き、弁膜症の有無を観察します。 |
頸動脈超音波検査 | 超音波で頸動脈などの血管壁の厚さや狭窄の有無を観察し、動脈硬化の程度を調べます。 |
甲状腺検査
甲状腺超音波検査
甲状腺はのどぼとけの下側に位置し、体に必要不可欠なホルモンを分泌するなどの機能を持った臓器です。この検査では、甲状腺の大きさや腫瘍の有無を調べることができます。
上部消化管(食道・胃・十二指腸)検査
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)、胃部X線(バリウム)のいずれかで検査します。
上部消化管内視鏡 | 上部消化管内視鏡検査では、口や鼻から内視鏡を挿入し、食道、胃、十二指腸を直接観察します。 胃カメラ |
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胃部X線 | バリウムと呼ばれるX線に影る(うつる)薬剤を飲んで、上部消化管の内腔を造影して観察します。 |
腹部検査
腹部超音波 | 肝臓・胆嚢・脾臓・腎臓・膵臓・大動脈周辺を観察し、器質的・形態的異常を発見します。腹腔内の腸管ガスの状況や体型によっては十分に観察できない場合があります。 |
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腹部CT | 腹部をX線撮影し、それをコンピューター処理することで、腹部を輪切りにした画像を映す検査です。肝臓がん、胆道がん、膵臓がんなどの悪性腫瘍がないか、それがどの程度進展しているかなどを調べます。 |
大腸内視鏡検査
肛門に内視鏡を挿入し、小腸の出口から全大腸にかけて観察する検査です。
大腸がん、大腸ポリープ、などの疾患を調べます。
大腸カメラ
人間ドックにおける大腸カメラ(大腸内視鏡)検査では、ポリープ切除等の治療は実施しておりません。
乳房検査
マンモグラフィ | 乳房専用のレントゲン検査です。 横からの圧迫と、上下方向からの圧迫による撮影をします。 乳房の腫瘍の有無、大きさや形、石灰化の有無を観察します。 判定結果をカテゴリーに分類して精査不要か要精密検査か判定しています。 カテゴリー分類の内訳は以下の通りです。 乳がんが疑われるのはカテゴリー3以上です。 カテゴリー3以上の判定を受けた方は「精密検査」を行う必要があります。
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乳房超音波 | 超音波で乳房内部の状態を調べる検査です。 乳房内の病変の有無、しこりの大きさ、腋窩など周囲のリンパ節の様子を調べます。 |
婦人科検査
子宮内診・膣鏡診 | 子宮の診察を行います。 |
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子宮頸部細胞診 | 子宮頸部(入り口)の細胞を綿棒やブラシでこすり取って細胞採取し、細胞の形から、子宮頚がんやその前がん病変の有無を検査します。 NILM以外では精密検査を行う必要があります。 |
経腟超音波 | 経腟式の超音波検査を行います。内診だけでは分からない子宮や卵巣の状態を観察します。 |
子宮細胞診の「ベセスダシステム」は下記に分類されます。
NILM (クラスⅠ・Ⅱ) |
正常な細胞のみ |
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ASC-US (クラスⅡ・Ⅲa) |
異形成とは言い切れないが細胞に変化がみられる |
ASC-H (クラスⅢa・Ⅲb) |
高度な細胞異型の可能性がある |
LSIL (クラスⅢa) |
HPV感染や軽度異形成と考えられる |
HSIL (クラスⅢa・Ⅲb・Ⅳ) |
中等度異形成・高度異形成・上皮癌と考えられる |
SCC (クラスⅣ・Ⅴ) |
明らかな扁平上皮癌と考えられる |