3人の女性内視鏡医が語る梅田健康医学クリニックの魅力
2022年10月に、大阪梅田に開院した「梅田健康医学クリニック」。
人間ドックや健診、外来診療を行っているこのクリニックに在籍している3人の女性内視鏡医に集まっていただき、クリニックの魅力や、そこで働く上で大切にしている想いなどについて話を聞きました。
- 中村 久美子(なかむら くみこ)
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梅田健康医学クリニックの開院にも携わった常勤医師。患者さん中心のていねいな診療を心掛けている。
- 都 杏(みやこ きょう)
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2児の母。2人目を出産後、梅田健康医学クリニックに勤務。医師としてのモットーは「初心忘るべからず」。
- 小谷 美央(こだに みお)
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体調を崩した際の自らの経験を生かし、患者さんの気持ちに寄り添う医療を提供できるように努めている。
まず、梅田健康医学クリニックについて、教えてください。
中村:大阪梅田ツインタワーズ・サウスの13階にあるクリニックです。阪神百貨店も入居しているビルですので、梅田の中でもとても便利な場所にあります。
2022年10月に開院したまだ新しい施設ですし、きれいで快適な場所で人間ドックや健診を受けていただけます。
都:ここはオフィスビルでもありますし、梅田という場所柄もあってか、受診される方には若い女性も多いですね。
中村:女性専用の待合室を備えていますし、更衣室も女性のほうが広いなど、女性にも気持ちよく受診していただける環境を整えています。
都:私たちのような女性の内視鏡医が3人もいるクリニックというのは珍しいですよね。若い女性の場合、大腸内視鏡検査は「やはり女性の医師のほうがいい」とおっしゃる方が多く、女性医師がいるからという理由で当クリニックを選んでいただいていることも多いと思います。
小谷:大腸はもちろんですが、胃カメラも恥ずかしさなどから抵抗を感じて、女性の医師を希望される方もいらっしゃいますね。
中村・都:確かに。
都:一般的なクリニックだと、女性の内視鏡医がいたとしても1人だけの場合が多いので、検査の曜日が限定されることが多いんです。当クリニックには3人いるので、だいたいどの曜日でも受けていただけますね。
中村:大学病院を受診するには紹介状が必要になりますが、このクリニックであれば、電話1本で予約して大学病院クオリティの検査を受けられます。外来診療もやっていて本院との連携もしっかりしているので、患者さんにも喜ばれていますよ。
皆さんが内視鏡医になったきっかけはどのようなことだったのでしょうか。
都:私の場合は、病院実習で内視鏡を触ったときに「面白いな」と思ったのが最初ですね。内科では、これまでの症例などを参考にしながら「頭で考えて」診断をすることが多いですが、この分野は病気を「目で見て」判断できるので、わかりやすいですし、そういったほかの科とは違うところに面白みを感じました。
中村:私は、内科であっても、内視鏡で切除まで行って治療を完結させることもあれば、長い目でがんの患者さんに寄り添っていくこともある消化管内科に、ほかの内科系の診療科とは異なる魅力を感じました。
小谷:私も同じです。内視鏡医になろうと思ったきっかけの1つは、自分で病気を発見して、その後治療まで一貫してできるということでしたね。
都:わかります。あと私は、内視鏡の手技を身に付けることが「手に職をつける」という意味でもやりがいがあると思って。
小谷:確かに、結婚・出産や、家族が体調を崩すことなどがあっても、内視鏡ができれば勤務の仕方にも選択肢ができて、医師の仕事を続けやすいんじゃないかと可能性を感じましたね。
都:手術だと何人ものスタッフが必要だけど、内視鏡は一人でできるというのも大きいよね。時間的な融通がきくので、内視鏡医としてライフスタイルに合った働き方ができています。
でも、内視鏡の練習は最初はかなりハードでしたね。特に医師になって3年目くらいのときは、とにかく数をこなしました。もう、修業だと思ってひたすらがんばりました。
小谷:私もずいぶん練習しました。若手のときには上の先生がていねいに教えてくださって、本当にありがたく思っています。
中村:私も、若手のときには模型を使ったりしてものすごく練習しましたね。実際の処置は上の先生の手助けを受けながらひたすら経験を積んでいくしかなかったですけど、経験を重ねるごとにうまくなっていく手応えがありました。病変を見つけて的確に診断する“目”も、経験の中で養われましたね。
内視鏡検査で大切にしていることや目指していることはありますか?
中村:なるべく苦痛なく受けていただけるように配慮するというのがやはり一番ですね。特に人間ドックを受けられる方は、どこか調子が悪くて来られているわけではないので、なるべく楽に受けていただきたいと思っています。皆さんは何かあります?
小谷:そうですね。長い時間がかかってしまうと、患者さんはどうしても苦しく感じてしまうので、短い時間でしっかり観察する、効率がよく質の高い検査を心掛けています。
中村:大事ですよね。そういった点で、AIを導入しているというのは、患者さんにとっても安心材料ではないでしょうか。当クリニックでは、大腸内視鏡の検査では、3つある検査室のすべてにAIを導入しています。検査中に一瞬でもポリープが映れば、リアルタイムで反応して、それが腫瘍性なのか非腫瘍性なのかというところまで診断してくれます。一人で検査してるけど、後ろでもう一人が見てくれているようなものなので、私たちにとっては心理的な負担も減りますし、患者さんにとっても安心だと思います。
都:内視鏡の機器もずいぶん進歩していますよね。胃カメラなんかすごく細くなっていて、患者さんの苦痛はかなり軽減していると思います。
中村:カメラの画質もすごく良くなりました。モニターも4Kになりましたし。
都:画質がいい分、鮮明に見えすぎてどれも怪しく見えてきちゃうんですけど(笑)。「このポリープ大丈夫かな?」と思うことが増えてますよね?
中村・小谷:うんうん。
小谷:その分、詳細に検討できて正確な診断につながるので、患者さんにとってやはりいいことだと思います。
患者さんや健診の受診者と接する中で、うれしかったことはありますか?
中村:「先生に診てもらって良かった」と言われると、やはりうれしいですよね。自分にできることを精一杯やって、それを「良かった」と思ってもらえるのはありがたいことです。内視鏡では「めちゃくちゃ楽だった」って言っていただけると、ちょっとうれしいかな。
都:私も同じですね。
中村:このクリニックでは、健診のときでも、胃カメラは一番細い、鼻から入れるスコープでやっています。技術的なこともありますが、やはり楽でしょうね。
都:それに、点滴で鎮静剤を使うことも可能ですので、より楽ですね。
中村:眠っている間に検査が終わります。「終わりましたよ」って声かけたら「もう終わったんですか?」って驚かれる方もいますよ。
都:あとはやはり、女性にとっては大腸の内視鏡検査は恥じらいがあるものなので「女性の医師で良かった」というお声も多いです。
小谷:診察室では、婦人科領域などについても相談されることがあります。同性にはやはり相談しやすいのでしょうね。このような時に、女性医師としてやりがいや強みを感じます。場合によってはより早い介入につながるので。お話を聞いて、必要であれば該当する科への受診を含めたアドバイスをさせてもらいます。
診療する上でのモットーや、大切にしていることを教えてください。
都:私に診てもらって良かったと思ってもらうのが一番うれしいので、そう思ってもらえるよう心掛けています。特に若い方であれば、その方の状況などをしっかり聞き取って、なるべく寄り添って考え、診療したいと思っています。
あと、カメラの大腸への挿入など技術的なこともそうですけど、行き詰まったときにはいつも基本に立ち返るようにしています。いくら経験を積んでも、そこが大事なことだと思っています。
中村:私は患者さんと同じ目線で診療を行うように心掛けています。病気だけでなく、その人の全体を見て、その人がどのように考えているのかにも配慮しながら話をするようにしています。例えば「〇〇という病気です」と伝えるにしても、相手がどのような考え方をする人かで受け取り方も違うので、こちらの伝え方も変わってきます。なるべく親身になって、話しやすい雰囲気をつくれたらと思っています。
小谷:私はこのクリニックに来る前に、体調を崩していた時期があって。それから改めて健康管理に努めるようになりました。生活リズムを整え、食事を見直して、運動習慣も少しずつつけるようにしています。また、健診などで定期的に検査を受けたり、早めに受診したりすることの大切さを身をもって感じました。自身の経験で学んだことを診療に生かし、伝えていきたいです。
皆様にメッセージをお願いします。
中村:健診って、会社で決まっているとか何かのきっかけがないと、なかなか積極的に受けようという気持ちにはならないと思うんですけども、当クリニックはできたばかりの広い施設で、女医もたくさんいますので、いろんな方に、普段の体のメンテナンスだと思って健診を受けていただけたらなと思います。
都:健診で病気が見つかる場合は、無症状のことが多いんです。先日も胃カメラを受けられた若い女性に早期胃がんが見つかって。幸い早期でしたので、すぐに大学病院で内視鏡の治療を受けることができ、手術にいたらず1か月以内に完治できました。治療まで1か月以内で終わるというのはかなり早いスピードですので、そこは大学病院との連携が強い当クリニックの強みだと思います。
大腸がんも、基本的に早期の段階では無症状ですので、検査をしないと見つかりません。健診とその後の検査は非常に大事だと思います。
中村:そうなんですよね、せっかく人間ドックや健診を受けたのに、良くない結果が出ても毎年そのままにしている方が多いんです。「コレステロールが高いって去年も言われました」とか。でも、お忙しいとは思うのですが、健診などで気になる結果が出たら、やはりきちんと検査を受けてほしいと思います。
都:健診も検査も、時間はとられるし、しんどいし、なかなか重い腰が上がらないのはわからないではないですけどね。その上、女性の場合「恥ずかしい」という理由で腰がひけることもあると思います。そのときは、ぜひ女性の内視鏡医がいる当クリニックに来ていただけるとうれしいですね。
中村:そうですね。
小谷:若い世代は特に、自身の健康について、いつまでも当たり前にあるものだと思っている方や、あまり意識されていない方が多いかと思います。かつての私もそうでした。でも、いざ健康を損なってしまうと、それによって不自由なつらい思いをしたり、不利益となったりすることが本当に多くて。健康が一番大事だなと、心から実感しました。当たり前である健康を維持していくために、ぜひ相談に来ていただければと思います。